「ジョブサポート郷口」とは・・・
2002年に開所した、特定非営利活動法人福岡ジョブサポートが運営する就労継続支援B型の事業所です。
福岡ジョブサポートは、「だれもが働きやすい地域社会を創ろう」「安心と活力ある地域社会を創ろう」「新しい地域社会を創る担い手になろう」を理念に、障がいのある方の「働く」を支援する各種事業を行っています。
毎日、18名前後の利用者さんにご利用いただいています。
今回インタビューにお答えいただいたのは、法人の理事長兼管理者石井浩明さん(写真向かって右)・支援員坂本千夏さん(同左)です。
特徴:仕事内容はすべて企業や自治体からの受注
石井さん:「就労継続支援B型」と聞くと、クッキーやパンなどを作っている作業所さんをイメージすることが多いですが、ジョブサポート郷口での仕事内容は、全て企業や自治体からの受注であるというのが特徴の一つです。納期を守ることや正確性あるいは品質の高さなどを意識し、利用者の皆さんにも仕事に責任を持って取り組んでもらっています。
そのような意識や取り組みの実績の積み重ねが、その後のお仕事の受注につながっていると思います。
坂本さん:例えば気泡緩衝材に関する受注ですと、気泡緩衝材の裁断、折り畳み、袋詰め、異物混入の確認、段ボール箱への梱包までの各作業をそれぞれ利用者さんが分担し、各作業の正確性を意識しながら取り組んでもらっています。

工夫:「できることから担当する」
坂本さん:福岡市から委託されている福岡市高齢者乗車券・福祉乗車券のタクシー助成券や福岡市福祉タクシー利用券に関する業務については、タクシー事業者から送付されるタクシーのチケットの受け付けやカウント、枚数などの照合から請求計算資料への入力までの一連の作業を請け負っています。
グループ会社等から複数社分まとめてチケットが送付された場合、受け付けの際に各社の仕分け作業を専用の道具を用いて行っております。(写真A参照)

タクシー事業者から送付されるタクシーのチケットを画像の手前部分で10枚ずつ数え、10枚ずつを中段白色の「10」のスペースに配置し、最終的には上段桃色の「50」のスペースに置いていくという流れを作っています。利用者さんがタクシーのチケットを数えやすく、かつ、間違いにくくするためにどのようにすると良いかを考え、試行錯誤してこちらの道具を作成しました。(写真B参照)

道具も一度作成したら終わりではなく、日々利用者さんとの面談を重ね作業しやすいような職場づくりを工夫しております。
やりがい:通所できる場所づくり
坂本さん:日中家にひきこもりきりだった方にご利用いただき、ご自分の好きなものを買ったり、親御さんにお金をお渡ししたりしている姿を見ているとやりがいを感じます。また、数か月~半年に1回実施するご家族を交えた三者面談で感謝の言葉をかけていただいたり、郷口から次のステップに挑戦された方が、5~10年経っても訪ねてきてくれたりすることがあり、その時はとても嬉しく、この仕事をしていて良かったと思います。
最後に:ジョブサポート郷口のご利用、そしてその先の就労へ
石井さん:過去、郷口からA型事業所に採用されたり、また法人内の就労移行支援事業にサービス変更し、民間企業への就職が実現したりした利用者さんもいらっしゃいます。特に若い利用者の方については、ジョブサポート郷口の利用や作業を通して自信を持ってもらい一般就労等に繋げていくという方法もいいと思っています。また、郷口には70歳以上の利用者さんもおられます。元気なうちは仕事をして、少しでも良いので稼ぎたいというニーズをお持ちの方にとっても有効なサービスだと思います。今後も幅広い世代の利用者さんの多様なニーズや希望を叶えられるよう支援していきたいと思います。
記事作成:福岡市福祉局障がい者部障がい在宅福祉課

