福岡市南区清水にある、福岡市立障がい者スポーツセンターで勤務されているパラスポーツ指導員の古屋さんの声を通して、パラスポーツの魅力や、障がい者スポーツセンターについてお伝えします。
●インクルーシブとは
直訳すると「包括的な」「包み込むような」という意味で、誰も排除せず、すべての人を受け入れる姿勢や考え方を指します。
●福岡市立障がい者スポーツセンター(通称:さん・さんプラザ)
昭和59年に福岡市南区清水に開設。体育館やプール、卓球室などを備えたスポーツ施設で、福岡県内に住む障がいがある方は無料で利用できます。パラスポーツ指導員の有資格者が複数名常駐しており、各種パラスポーツ教室や大会等も実施しています。
【登場人物】

古屋 貴啓さん
令和5年より福岡市立障がい者スポーツセンターで、パラスポーツ指導員として勤務。現在、パラバドミントン連盟コーチでもあり、強化指定選手の指導も行っている。学生時代に、四肢欠損の小学生が25mを泳ぎきったのを見てパラスポーツに興味を持ち、パラスポーツ指導者の道に進む。
業務内容や、日頃心がけていることは
業務は、教室等でのパラスポーツの指導以外にも、指導係長として指導者の育成も行っています。
指導者としては、丁寧な指導を心がけており、指導者が熱心に教えれば、利用者さんも熱心になって頑張ってくれると思います。
最近は、出張教室にも力を入れており、学校やイベント等に指導者を派遣してパラスポーツ教室を実施しています。参加者からは「パラスポーツは楽しいだけでなく、障がい理解等の学びにもつながる」と好評で、特に学校の先生たちの間で評判が口コミで広がっており、出張教室の予約は年度末まで埋まっている状況です。

やりがいは
やはり、利用者さんが泳げるようになったり、ボールを打つことができるようになったり、少しでも良い変化があった時や、教室等の参加者から「楽しかった」「また参加したい」と言ってもらえた時です。

スポーツの良いところは
自分自身、野球部時代に、上下関係や挨拶、礼儀などの社会性を学びました。センターでの特に子どもたち向けの教室では、障がいがあっても、準備や片付けなどできることは自分たちで行っており、挨拶も教えています。スポーツは単に体を動かして健康になるだけでなく、社会性を学んだり、仲間を作ったり、得るものが多いと思います。子どもたちには、障がいに関係なく、多くのことを経験し学んでほしいと考えています。

今後は
パラスポーツを通して、福岡市中に障がいに対する理解が広がり、障がいのある方が障がい者スポーツセンターに来ずとも近所のスポーツ施設を気軽に利用できたり、地域の野球チームやサッカーチーム等に参加できる状態になってほしいと思います。
そのために、パラスポーツの指導だけでなく、出張教室やイベントを積極的に実施して、障がいの有無に関わらずパラスポーツを広める活動をしています。 今後も、行政やスポーツ団体等と一体となって、パラスポーツの魅力や、スポーツを通して障がい理解を広め、さらに福岡から全国にインクルーシブを広めていきたいと思います!

記事作成:福岡市福祉局障がい者部障がい企画課

